【2月21日 AFP】「アイス・マーメイド(氷の人魚)」の異名を取るチリ人スイマーのバルバラ・エルナンデス(Barbara Hernandez)さん(37)が今月、南極海(Antarctic Ocean)で2.5キロを泳ぎ、新記録を樹立した。

 エルナンデスさんは5日、水温わずか2度の南極海を45分30秒泳ぎ続けて偉業を達成した。

 AFPの取材に対し、「泳いでいる間は、ものすごくきつかった。距離が長く、最初の1マイル(約1.6キロ)を泳ぎ切った時点では(目標を示す)ブイにたどり着けないような気がした」と語った。

 泳いでいる最中は「テクニックとキックに集中した」が「腕がどんどん重くなり、血流が片寄り始め、手足の血の巡りが悪くなってくるのが分かった」と言う。「心臓が凍るんじゃないかと思った。時々、全身がひやっとした。皮膚ではなく、体の内側から」と話した。

 その上で、「一番頑張らなければならないのは、メダルやギネス世界記録(Guinness World Records)だけにとどまらない問題に注目を集めること。それが私にとっては一番大変だ。今回の泳ぎでギネス記録を上回ったことで、ようやく南極について、そして、生きている海を守るために私たち一人一人にできることについても話ができる」と語った。

 映像前半は今月5日に南極海で泳いだ時の様子、エルナンデスさんより提供。後半はエルナンデスさんへのインタビュー、18日撮影。(c)AFP