【2月21日 AFP】英BBCは20日、世界的に有名な紅茶ブランド2社が所有するケニアの紅茶農園で働く女性たちが現場責任者から性暴力を受けている実態を潜入取材で明らかにした。

 BBCは英食品・家庭用品大手ユニリーバ(Unilever)が以前所有していた紅茶ブランド、リプトンPGティップス(Lipton and PG Tips)の農園と、紅茶飲料会社ジェームズ・フィンレイ(James Finlay)所有の別の農園で働いている100人の女性に取材。「70人以上の女性が、現場責任者から性暴力を受けたことがあると打ち明けた」とウェブサイトで公表。

「多数の」被害者が、解雇されないために性的要求に応じるほかなかったと告白。エイズウイルス(HIV)をうつされたり、妊娠させられたりした女性もいた。ある責任者は、農園内に住み込みで働いていた14歳の少女をレイプし、告発されている。

 また、身元を隠して取材していたBBCの記者が、農園主らに性行為を強要されそうになったこともあるという。

 ユニリーバはAFPに「紅茶産業で働く女性に対するジェンダーに基づく暴力という極めて深刻な問題に長年取り組んできた」とした上で、「さまざまな措置が機能していなかったことがBBCの取材で露呈し、非常に失望している」と述べた。

 ユニリーバは昨年、グローバルな紅茶事業を投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズ(CVC Capital Partners)に売却。それに伴い、リプトンPGティップスはリプトン・ティーズ・アンド・インフュージョンズ(Lipton Teas and Infusions)に社名変更された。

 リプトン・ティーズのナタリー・ルース(Nathalie Roos)最高経営責任者(CEO)はAFPに「該当する責任者は直ちに停職処分とし、完全な独立調査を開始した」と明らかにした。

 ジェームズ・フィンレイも調査に着手したとしている。(c)AFP