【2月18日 AFP】ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は17日、高い気温下での選手の健康への懸念が増している中で、気候変動を理由に長距離種目を主要大会から「分離する」可能性を示唆した。

 夏季五輪と世界陸上(World Athletics Championships)は7月から8月にかけての開催が伝統となっているが、コー会長は気候の温暖化が次第に長距離選手に問題を引き起こすようになっていると主張した。

 2021年の東京五輪では、猛暑と高い湿度に多くの選手が苦戦を強いられた。主催者は涼しい天候を期待してマラソンと競歩の会場を札幌に変更したものの、現地は熱波に襲われてもくろみが外れた。

 コー会長は、数年前に米オレゴン州で行われた米国の予選会で、通常は比較的気候が穏やかな6月に気温が急上昇したため、男子の5000メートルと1万メートルの日程を変更したことを例に挙げ、「(2024年の)パリ五輪が昨夏もしくはおととしの夏だったら、全く同じ状況になっていただろう」と話した。

「従ってかなりの時間をかけて、今後のカレンダーがどうなるかについてや、厳しい持久力種目の一部を夏季の世界選手権から分離することなども検討していかなければならないだろう」 (c)AFP