【2月16日 AFP】ウェールズ国内のラグビー選手によるストライキの可能性が15日に取り沙汰され、25日に控えるイングランド代表とのシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2023)開催が危ぶまれている。

 ウェールズラグビー連盟(WRU)と各地域が新たな長期財務協定に書面で合意していないため、今シーズン末に契約が切れる選手たちがウェールズラグビーから去るのではないかと懸念されている。各地域の四つのプロチーム、カーディフ・ブルーズ(Cardiff Blues)、ドラゴンズ(Dragons RFC)、オスプリーズ(Ospreys)、スカーレッツ(Scarlets)は、来季の予算が確定していないため、選手の補強がストップしている。

 英大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)が14日に報じたところによると、ウェールズラグビー界の契約危機に伴い、選手たちは争議行為を検討しているという。

 WRUの暫定最高経営責任者(CEO)のナイジェル・ウォーカー(Nigel Walker)氏は、「立場をさらに明確にする」ため、この日一部の選手と面会したと述べた。口頭での合意はあるものの、正式な書面での契約がないことが以前から不安視されていた中、元代表選手でもあるウォーカー氏は、WRUが選手たちに「絶対的な共感」を持っていると主張している。

 契約交渉を監督する国内プロラグビー委員会のマルコム・ウォール(Malcolm Wall)委員長は、ウェールズの選手と各クラブは財政的な現実に直面しなければならないと述べた。

 ウォール氏は、「WRUとクラブは、自分たちのビジネスが成り立たないような給料を支払ってきたという冷厳な事実があるため、新たな合意は契約交渉のための新しい枠組みを確立するものだ」と語っている。

 新たな枠組みでは、ウェールズのプロ選手の平均給与が10万ポンド(約1600万円)になると見込まれている。ウォール氏は、「委員会はイングランドやフランスのクラブがより高い給与を払っていると認めているが、これがウェールズにおける持続可能性の指標とならなければならない」と続けた。

 オスプリーズに所属し、ウェールズ代表として66キャップを数えるブラッドリー・デービス(Bradley Davies)はストライキに入ることについて問われると、「ストライキをしなければならず、それがみんなの下した決断ならば、十分に公平だ。だが、それは最後の最後の選択肢だ」と応じた。(c)AFP