【2月16日 AFP】競売大手サザビーズ(Sotheby's)は15日、米ニューヨークで5月に競売に出される1000年以上前のヘブライ語聖書を公開した。これまでに発見されたヘブライ語聖書の中で最古とされる。

 出品されるのは「サスーン写本(Codex Sassoon)」で、9世紀後半~10世紀初頭に書かれた。落札価格は歴史的文書としては過去最高の5000万ドル(約67億円)に届く可能性がある。

 サザビーズの書籍・写本部門トップのリチャード・オースティン(Richard Austin)氏は「紛れもなく人類史上、最も重要で並外れた文書の一つだ」と述べた。

 写本の名は、ユダヤ教古文書の個人収集家デービッド・ソロモン・サスーン(David Solomon Sassoon、1880-1942)にちなんでいる。

 ヘブライ語聖書全24巻を収録した写本として現代まで残る二つのうちの一つ。紀元前3世紀にさかのぼる死海文書(Dead Sea Scrolls、死海写本)と、現代版ヘブライ語聖書の架け橋とされる。

 サザビーズによると、初期のヘブライ語聖書として有名な他の2点、アレッポ写本(Aleppo Codex)よりも完全で、レニングラード写本(Leningrad Codex)よりも古い。競売に出品されるのは30年以上ぶりだという。(c)AFP