【2月19日 AFP】欧州連合(EU)加盟国であるポーランド国境からわずか4キロ、ウクライナ国境から50キロの位置にあるベラルーシ・ブレスト(Brest)の郊外にある軍基地では、特殊部隊が森林地帯での戦闘訓練を行い、装置を使って空挺(くうてい)部隊が航空機から降下する模擬訓練を行っていた。

 ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は、ロシアのウクライナ侵攻を支持。侵攻開始時には、ベラルーシ領からロシア軍が出撃するのを容認した。以来、ベラルーシ軍の直接参戦への懸念が高まっている。

 基地では、第38独立親衛空襲旅団(38th Separate Guards Air Assault Brigade)の訓練に関するプレスツアーが厳格な管理下で行われた。

 ベラルーシにはロシア軍部隊が駐屯しているが、兵員数は公表されていない。だが、ルカシェンコ氏は自軍をウクライナに派兵しないと確約している。ベラルーシ軍の兵力は6万~7万人と推定されている。

 ブレスト郊外の基地では、軍高官は慎重な物言いに終始し、ウクライナ侵攻については言及を避けた。

 ワディム・ルカシェビッチ(Vadim Lukashevich)特殊部隊副司令官は「情勢は安定しているが、情勢の急変に対応できるよう態勢を整えている」と述べた。

 訓練場では、パラシュートで降り立つ際に足を曲げて着地する練習や、森林戦闘訓練が行われていた。

 軍高官は、ベラルーシ政府は「平和を愛している」として、当局が守りたいのは「安定」だと強調した。

 別の高官も「われわれは誰も攻撃しない」とした一方で、「もし誰かが攻撃してきたならば」対応可能との見解を示した。(c)AFP