【2月11日 AFP】旧ソ連構成国モルドバの情報・保安当局SISは9日、ロシアがモルドバの弱体化や不安定化を狙った破壊工作を仕掛けていると発表した。

 SISは「ウクライナ側から提供された情報と、わが国の情報活動の両面から、モルドバの弱体化や不安定化、社会秩序の混乱を狙った破壊工作を確認した」と述べた。

「現在進行中のさまざまな作戦行動に支障が出る恐れがある」ため、詳細の公表を控える一方、 「すべての国家機関が全力で対応しており、この種の挑発行為を許さないことを国民に約束する」としている。

 これに先立ちウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、欧州連合(EU)首脳会議で演説し、「ロシアの情報機関によるモルドバの破壊計画を事前につかんだ」と述べていた。

 さらに「この文書は、誰が、いつ、どのようにモルドバの民主主義を破壊し、同国の支配を確立しようとしているかを示している」と続け、モルドバに直ちに警告を発したと述べた。ただし、「ロシア政府が実際にその計画に従うよう命令を出したか」は不明だという。

 多くの旧ソ連構成国と同様、モルドバでも親ロシア派と親欧米派の政争が起きている。マイア・サンドゥ(Maia Sandu)大統領率いる現政権は筋金入りの親欧米派として知られる。(c)AFP