【2月11日 AFP】米カリフォルニア州の裁判所は、愛人との性行為の現場を妻に押さえられて修羅場となり、「逆上した女性2人」から逃げるために飲酒運転をした男性に無罪判決を言い渡した。

 トーマス・パトリック・ヒューストン氏(60)は、カリフォルニア州の基準値を超えるアルコールを摂取していたが、身体に危害を受ける恐れがあったために車で逃げざるを得ず、緊急避難が認められるとして無罪を主張していた。

 同州北部のワインの名産地ユカイア(Ukiah)の陪審は今月、4日間の評議でヒューストン氏の主張を認め、飲酒運転について無罪評決を下した。

 メンドシーノ(Mendocino)郡地区検事は「ヒューストン氏は妻に不倫の現場を押さえられ、逆上した女性2人から逃げるために車を運転する必要があったとの証言が提出された」と述べた。

「検察側は、緊急避難はこのような状況を意図しておらず、これまで適用されたことはないと主張したが、裁判官は陪審に対し、緊急避難によって飲酒運転を正当化できる可能性を検討することを認めた」

 同検察局によれば、緊急避難が認められるには「自己または他人の身体への重大な危害を避けるための行為」であることなど、さまざまな要件を証明しなければならない。(c)AFP