中国で進む「空飛ぶクルマ」の研究開発
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【2月9日 Xinhua News】中国自動車大手の浙江吉利控股集団は5日、傘下の「空飛ぶクルマ」メーカー、沃飛長空が独自に開発した5人乗りで純電動の空飛ぶクルマAE200 X01の春節後初となる試験飛行が成功したと発表した。同社は比較的早くから空飛ぶクルマの研究開発を手掛けている中国企業の一つ。
中国工程院の項昌楽(こう・しょうらく)院士(アカデミー会員)が率いるチームは2022年11月、2人乗りのスマート分離式空飛ぶクルマのプロトタイプを公開。自律垂直離着陸飛行装置、スマート操作コックピット、自動運転シャシーの三つ独立したモジュールからなる分離式構造を採用している。
都市部の交通渋滞が日増しに深刻化する中、空飛ぶクルマは次第に移動手段変革の模索方向となっている。中国交通運輸部が発表した「交通分野科学技術革新中長期発展計画要綱(2021~35年)」では、空飛ぶクルマの技術開発、航空機と自動車の融合、飛行と地上走行の自由な切り替えなど、新型移動手段の研究開発を進める方針が示されている。
業界関係者によると、都市部の空中移動は未来の都市交通の重要な構成部分で、主に電動垂直離着陸機を利用して都市内または都市間の人員や物資の低空・短距離輸送を担う。都市部交通の混雑を大幅に緩和し、人と物資をより効率的かつ安全で輸送できる。
清華大学通用航空(ゼネラルアビエーション)技術研究センターの張揚軍(ちょう・ようぐん)主任は、空飛ぶクルマは道路を地上から低空へと広げ、陸空一体の立体交通を形成し、従来の交通・移動や輸送方法を刷新するだろうとの認識を示した。
世界の空飛ぶクルマメーカー数はすでに160社を超えている。主に米国と欧州に集中しており、欧州航空機大手のエアバス、米航空機大手ボーイング傘下のオーロラ・フライト・サイエンス、英自動車メーカーのアストンマーティンなどがある。中国では吉利集団のほか、自動車メーカーの小鵬汽車、IT大手のテンセント、小型無人機(ドローン)メーカーの広州億航智能技術(イーハン)などが関連事業を手掛けている。(c)Xinhua News/AFPBB News