【2月7日 AFP】トルコ南部で6日発生したマグニチュード(M)7.8の地震で死者数が拡大したのは、未明という発生時間帯や場所、断層の活動が比較的静かだったこと、脆弱(ぜいじゃく)な建物といった複数の要因が重なったためだったと専門家は分析している。

 まず指摘できるのは、トルコで1939年以降、最大規模の地震だったという点だ。さらに、約200万人が住む南部の都市ガジアンテプ(Gaziantep)など人口が比較的多い地域を地震が襲ったことも、被害が広がる要因になった。

 地震が起きたのは午前4時17分だった。睡眠中の人々が「倒壊した建物の下敷きになった」ケースが多かったと、英地質調査所(BGS)のロジャー・ミュッソン名誉研究員は指摘する。

 ミュッソン氏は「(建物の強度も)大きな地震が起きる可能性がある地域にしては極めて不十分だった」と分析。これには、地震が発生した断層が近年、比較的静かだったことも影響したという。

 トルコは、世界で最も地震の活発な地域の一つで、1999年には北アナトリア(North Anatolia)断層で起きた地震で1万7000人以上が死亡している。今回の地震は、トルコ南東部に延びる東アナトリア(East Anatolia)断層に沿って発生した。

 ミュッソン氏は、東アナトリア断層ではM7を超えるような地震は200年以上起きていなかったため、人々は「危険性を軽視していた」とし、地震への不十分な備えも犠牲者拡大の要因になったと話す。さらに、長期にわたって大地震が起きていなかったことから、「巨大なエネルギーが蓄積されていた」可能性もあるという。