【2月7日 AFP】米ウォルト・ディズニー(The Walt Disney Company)が香港で提供している公式動画配信サービス「ディズニープラス(Disney+)」で、米人気アニメ「ザ・シンプソンズ(The Simpsons)」シリーズのうち、「強制労働収容所」に言及したエピソードが配信されていないことが分かった。

 かつて香港では中国本土に比べ、芸術・文化面でより大きな自由があった。だが、2019年に民主化を求めるデモが続くと、反政府的な動きへの締め付けが強まり、映像作品の検閲も強化された。

 今回未配信となっているのは、昨年10月に初放送されたシーズン34のエピソード2。「中国の不思議を見よ。ビットコイン(Bitcoin)の採掘場や、子どもたちがスマートフォンとロマンスをつくっている強制労働収容所を」というせりふがある。

 AFPは、香港のインターネットサービスを通じてディズニープラスにアクセスすると、この回が視聴できないことを確認した。

 香港政府とウォルト・ディズニーにコメントを求めたが、これまでに回答は得られていない。

「シンプソンズ」をめぐっては2021年にも、中国政府が学生民主化運動を武力鎮圧した天安門広場(Tiananmen Square)にまつわるエピソードが配信されなかったことがある。この回では、シンプソン一家が同広場を訪れるシーンがあり、「ここでは1989年に何も起きなかった」と記された記念碑が登場していた。(c)AFP