【2月7日 CNS】中国東北部の吉林省(Jilin)吉林市の大型スーパーでは、黄桃の缶詰を棚に並べるとすぐに売り切れる状態が続いている。店長は「これほどの人気は誰も予想していなかった」と驚きの声を上げる。

 中国では「子どもの頃、病気になると黄桃の缶詰を食べさせてもらった」「一口食べると体がすごく楽になった」という経験を持つ人が多い。新型コロナウイルスの流行により黄桃の缶詰が新たに注目を集め、店頭でもインターネット販売でも品切れ状態が続いている。

 一部のメーカーは合理的な消費を呼びかけているのに対し、ネット上では「黄桃は薬ではないが、補助薬のようなもの」「食べているのは『気持ち』」という書き込みが目立つ。

「黄桃の缶詰は、中国東北部の市民の集団記憶と言える」。吉林市人民政治協商会議の文化史研究員の皮福生(Pi Fusheng)氏はそう説明する。1970~1980年代、東北地方より南に位置する山東省(Shandong)の黄桃が東北地方で人気を博していた。当時の輸送・保管体制では新鮮な黄桃を保つのは難しく、缶詰が中心となった。

「薬効はないが、滑らかで甘い味は『癒やし』を感じる」と皮氏。桃には伝統的に「長寿」と「邪気を払う」意味もある。

 吉林中心病院の趙暁芸(Zhao Xiaoyun)医師は「黄桃はビタミンと食物繊維が豊富で、体液を促進して喉の渇きを癒やすだけでなく、消化にも役立つ」と一定の効能があると説明。一方で「缶詰食品には砂糖が多く含まれているので、適度に食べた方がいい」と忠告している。(c)CNS/JCM/AFPBB News