【2月6日 AFP】トルコ南部ガジアンテプ(Gaziantep)県付近で6日午前4時17分(日本時間同10時17分)ごろに発生したマグニチュード(M)7.8の地震により同国とシリアで建物が多数倒壊し、計190人以上が死亡した。揺れはキプロスやエジプトでも観測された。

 トルコの救急当局は76人が死亡したと発表。ただ、地震は未明に発生し、主要都市で多数の集合住宅が倒壊していることから、犠牲者は大幅に増える可能性があるとの見方を示した。

 シリア保健省は、政府支配地域であるアレッポ(Aleppo)、ラタキア(Latakia)、ハマ(Hama)、タルトゥース(Tartus)の4県で「516人が負傷し、111人が死亡した」と発表した。

 これとは別に、現地の病院はAFPに対し、親トルコ派勢力が支配する北部で少なくとも8人が死亡したと明かした。

 トルコ・マラティヤ(Maltaya)県では、13世紀に建造されたモスク(イスラム礼拝所)の一部が倒壊した。

 米地質調査所(USGS)によると、震源の深さは約17.9キロ。最初の地震から15分後にはマグニチュード(M)6.7の余震があった。

 今回の地震は、トルコ南部で起きたものとしては過去100年で最大級。一帯はシリア国境に近いこともあり、シリア人やその他の紛争地域から逃れてきた難民数百万人が暮らしている。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は地震被害を受け、犠牲者に哀悼の意を表するとともに、国民に団結を呼び掛けた。

 5月14日には接戦が予想される大統領選を控えており、エルドアン氏としては、危機対応で指導力を発揮することが求められている。(c)AFP