【2月9日 People’s Daily】月面着陸から火星探査、宇宙ステーション建設まで、中国の宇宙開発はいま「高速ルート」に入っている。独自技術は飛躍的進歩を遂げ、中国は着実に「宇宙大国」の道を進んでいる。

 月探査機「嫦娥4号(Chang’e-4)」は2019年に世界で初めて月面裏側への着陸を果たし、「嫦娥5号(Chang'e-5)」は2020年に月面からサンプルを地球に持ち帰った。中国の宇宙ステーションは2022年に完成し、ステーションに長期滞在する宇宙飛行士の初の任務交代も成功裏に完了した。

 中国が独自開発した衛星測位システム「北斗3号(Beidou-3)」も2020年から正式に運用を開始。高解像度サービスを世界に提供している。2020年に打ち上げた火星探査機「天問1号(Tianwen-1)」は世界で初めて1回の任務で火星の周回、着陸、探査を実現した。中国は惑星探査分野で世界のトップランクに入っている。

 中国の宇宙産業は地球の軌道上に500以上の衛星を保有しており、中国内外の人々の生活にも貢献している。通信衛星は中国の遠隔地にある1億4000万世帯に衛星放送サービスを提供しており、北斗衛星測位システムは700万台以上の車両と4万隻以上の漁船にナビゲーションサービスを提供している。搭載した測定器(センサー)で宇宙から地球を測定する人工衛星リモートセンシングは、世界100か国以上にサービスを提供。国内外で発生する自然災害の緊急監視も行っている。

 宇宙の平和利用は中国の航空宇宙産業の一貫した目的であり、国際交流は中国の宇宙探査が目指す方向である。中国国家宇宙局は、世界中の宇宙機関、企業、科学者らと協力を続けている。嫦娥4号はオランダ、ドイツ、スウェーデン、サウジアラビアの科学機器を搭載。天問1号はフランスやオーストリアなどの科学機器を搭載している。 中国はエジプト、パキスタン、ナイジェリアなどの発展途上国の宇宙開発も支援し、世界で数少ない人工衛星輸出国となっている。将来は国際機関や各国と協力して、国際的な月科学研究ステーションを建設する予定だ。

 中国は今後5~10年で嫦娥6~8号を打ち上げ、月探査計画を継続。惑星探査では小惑星の探査、火星のサンプルリターン、木星探査を計画し、それを実現するための技術的ブレークスルーを目指す。

 広大な宇宙を探索することは、人類共通の夢だ。中国は人類のより良い未来の創造のため、宇宙探査でより多くの成果を手に入れようとしている。(c)People’s Daily/AFPBB News