【2月8日 People’s Daily】中国・成都市(Chengdu)では、地域住民を対象に、さまざまな生活ニーズに応える、徒歩15分程度の範囲に多様な業態が集積するコミュニティーサービスの輪が形成されている。これこそ「15分生活圏」だ。

 2021年10月、中国商務部は「都市の15分生活圏」の第1陣のパイロットリストを発表し、全国30のパイロット都市(区)で実施することになり、成都市もその中の1つだ。試行から1年余り、成都の人々の生活はますます便利で豊かになり、幸福感も大いに高まっている。

 成都市住房和城郷建設局公共建設プロジェクト管理処の主要責任者は、「15分生活圏」というコンセプトのもと、227の基層文化施設が高水準で建設されたと紹介した。その利便性は、たきぎ、米、油、塩のような生活に不可欠な物といった生活の便利さだけでなく、包括的で便利な文化体験にも表れている。

 46の基層総合文化サービスセンターモデル拠点、91のコミュニティー美的空間、100以上の書店と読書における美的空間、115の新時代文明実践優良モデルなどの文化基地が建設されたことにより、優雅でおしゃれな文化観光の新しいシーンが次々と構築され、市民は質の高い公共文化サービスを身近に享受できるようになった。

 デジタル活用支援に基づき、成都市新都区(Xindu)は「香城文体通」というWeChatアプレットを開発し、「オンライン+オフライン」のサービスモデルを構築した。

 また、公共交通の「ラストワンマイル」の問題を解決するため、早くも2013年に、成都市はコミュニティーバスサービスに取り込み始めた。「カードありの無料乗車、カードなしの全額コイン」という方式で、市民に短距離の移動サービスを提供している。

 従来の路線バスとは異なり、コミュニティーバス停はわずか200メートル程度の間隔で、コミュニティーの入り口など乗客の配車所にできるだけ近い場所にある。現在、成都では106本のコミュニティーバスが運行しており、車両数は519台、1日の平均乗客数は延べ14万人近くで、そのほとんどが中高年層の乗客だ。そのほか、成都では地域周辺に緑道も整備され、緑道サイクリングは徐々に新たなトレンドとなっており、市民のレジャーや娯楽の新たな選択肢となっている。

「人間本位という公共サービスの特徴に基づき、成都市は各区・県の資源や産業の特徴に応じ、『15分生活圏』の構築に力を注いでいる」。成都市発展改革委員会の関係責任者は、次の段階として、成都は公共サービス体系を絶えず改善し、公共サービス供給を革新し、公共サービスの質の向上とバランスのとれた発展を推進することで、より住みやすく、働きやすい「幸福のモデル」を作ると紹介した。(c)People’s Daily/AFPBB News