伝統の影絵人形が「若返り」 雲南・騰衝で「4D影絵劇」
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【2月7日 People’s Daily】中国南西部の雲南省(Yunnan)騰衝市(Tengchong)に伝わる皮影戯(影絵劇)が、最新技術を通じて新たな姿を見せている。ホログラフィーや照明、音楽と光の特殊効果を駆使した4D影絵劇「騰衝往事」が上演され、観客からは「影絵芝居は、こんな表現もできるんですね!」と驚きの声が上がっている。
騰衝の影絵劇の歴史は600~700年に及び、国家級無形文化財に指定されている。劇のレパートリーは300~400種類あり、特に「西遊記」などの古典に基づく作品が多い。
かつての影絵劇は人々にとって珍しい娯楽であったが、時代の変化とともに衰退の道をたどっているのが現状だ。影絵伝承者の1人、劉安奎(Liu Ankui)さんは「古い芝居を見る人は少なくなり、公演は年に数回しかありません。生計を立てるため多くの影絵師が働きに出ており、新たに学ぼうとする若者もほとんどいません」と説明する。
そんな中、劉家影絵の第6代継承者で1992年生まれの劉朝侃(Liu Chaokan)さんは伝統に新たな息吹をもたらそうとしている。「『カメとツル』、『2 匹の子羊』、『大きなオオカミ』など、子どもたちが楽しく見ることができる新しい作品を考えました。騰衝に伝わる作品を改編したもので、非常に人気があります」
劉朝侃さんは影絵工房を作り、観光客が影絵にふれあう機会も与えている。影絵人形は頭、肩、胸、手、腰、足など11の部分に分かれ、精巧な作りとカラフルな塗装が特徴。観光客は自分で影絵を作ったり色を塗ったりするのに夢中となっている。影絵工房はSNSの「映える」投稿スポットとして注目されている。
そして劉朝侃さんは大胆なアイデアを思いついた。プラスチックで制作した影絵人形に紫の光をあて、さらに影絵人形をスクリーンから離して演技することで、4D映画のような影絵劇に挑戦。準備に4年近くを費やしてきた。伝統的な影絵人形の長さは70~80センチだが、2倍の大きさの人形を使用。実演のため、10人以上の若い影絵師を募集した。
「騰衝往事」公演の初日、劇場は満員となった。40分間の公演後、ベテラン影絵師の劉上金(Liu Shangjin)さんは「とても衝撃的でした。影絵劇の新たな発展をとてもうれしく思います」と喜びの声を上げた。
劉朝侃さんは「形は変化しても、影絵文化は変わりません。伝統文化に現代的な表現を取り入れ、活力を与えていきたい」と力を込める。(c)People’s Daily/AFPBB News