【2月3日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)は3日、米国とロシアの間の新戦略兵器削減条約(新START、New START)について、ロシアが順守していないとして懸念を示した。

 ロシアのウクライナ侵攻で米ロ間の緊張が高まる中、米政府はロシアが条約の約束事項を守っていないと批判してきた。米側は1月31日にも、ロシアが査察の受け入れを拒否し協議も取りやめたと改めて非難した。

 NATOは3日の声明で「ロシアが新STARTでの法的な義務を順守していないことを懸念している」と表明した。

 ロシア政府は昨年8月、新STARTに基づいた米国による軍事施設への査察の受け入れを停止すると発表した。その理由として、ロシア側は米側がロシアによる査察を妨害したと主張したが、米政府はそうした事実はないと否定した。

 さらにロシア政府は昨年11月にも、エジプト・カイロで予定されていた新STARTに関する米国との協議を延期すると発表。米側が敵意を示しているなどと批判していた。

 核弾頭の保有数制限などを定めた新STARTは2010年、当時の米大統領であるバラク・オバマ(Barack Obama)氏の下で、米ロ両国が調印した。(c)AFP