ソウルの「1坪部屋」に住む人たち…それぞれの事情 (下)
発信地:韓国
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韓国・北朝鮮
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【02月03日 KOREA WAVE】隣の建物の小部屋に住むムンさん(70)も似たような状況だった。
36歳まで慶尚北道浦項(ポハン)でタグボート(他の船が港湾に停泊するように引く船舶)に乗っていた。だが足を負傷し、治療を受けたが完治しなかった。仕事を続けたが、病院の世話にならざるを得ず、6年前に生活保障受給者になり、東子洞にやってきた。
東子洞の小部屋の平均家賃は23万4000ウォン(約2万4480円)だ。同じ金額に保証金200万~300万ウォン(約21万円~約31万円)を足せば、首都圏以外の地域なら居間とリビングのある部屋を借りることができる。
しかし、小部屋の住民たちは「支援が少なく、仕事がない。だから地方には行けない」という。
特にムンさんは「孤独死が怖い」という。
「私が死んだら、だれが後のことを面倒みてくれるのか。ここに住む年配者はお金も名誉も必要ない。大事なのは通っている病院であり、私を気遣ってくれる人たちだ」
これが、東子洞の小部屋を離れない、最も大きな理由のようだ。
◇再開発を見越して
だが、ここに住むのは、キムさんやムンさんのような人たちばかりではない。
自発的に仕事をせず、「貧困」を口実にここにとどまり続ける人もいる。再開発が始まれば、自身の権利を行使して「一儲け」することを夢見る人たちだ。
また、再開発が始まるまで小部屋でじっと耐え、再開発後には公共賃貸住宅に移り住む日を待ち望んでいる人もいる。
東子洞の小部屋でも、さまざまな思いが交錯している。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News