【2月2日 AFP】カナダ下院は1日、中国から逃れた新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の少数民族ウイグルの難民1万人を受け入れるよう政府に求める動議を全会一致で可決した。

 2024年から2年にわたりウイグル人1万人をカナダに移住させることを提言している。

 動議では、第三国へ逃れたウイグル人は政府から帰国するよう圧力や脅しを受けていると指摘。また、ウイグル人を拘束し強制退去させるよう各国に外交・経済的圧力を掛けており、ウイグル人に安全な避難先がない状態になっているとしている。

 動議を提出したサミール・ズベリ(Sameer Zuberi)議員によると、世界各国で少なくとも1600人のウイグル人が中国の命令で拘束されたり、強制送還されたりしている。

 ズベリ氏は記者会見で、ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相と閣僚も賛成票を投じたと指摘。動議に法的拘束力はないものの、政府に難民を受け入れる意思があることを示していると語った。

 動議の可決は、「われわれはウイグル人に対する人権侵害を容認しないという明確なシグナルだ」「ウイグル人に起きていることは許されない」と訴えた。

 ウイグル人権擁護プロジェクトURAPのカナダトップは記者らに対し、動議可決は「中国、カナダだけでなく、世界中に響き渡る」強いメッセージになると述べた。(c)AFP