【2月2日 AFP】2022年の世界の民主主義のレベルは新型コロナウイルス関連の規制解除後にやや回復したが、ロシアではウクライナ侵攻開始後に大きく後退した。2日公表の英調査機関の報告書で明らかになった。

 経済誌「エコノミスト(Economist)」の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」がまとめたもので、民主主義のレベルを「民主主義指数(Democracy Index)」で示した。

 それによると、民主主義体制下で暮らす人は世界の人口の45.3%を占めている。うち、カナダやスウェーデン、ウルグアイなど20数か国は「完全な民主主義」国に分類されており、その合計人口は世界全体の8%弱。

 一方、世界人口の36.9%は権威主義体制下で暮らしており、その大部分を中国とロシアが占めている。ロシアの民主主義指数は、昨年2月のウクライナ侵攻開始後、調査対象国の中で最大の落ち込みを示した。

 ロシア当局は侵攻開始以降、メディアや反体制派をかつてなく弾圧している。報告書は「ロシアは長年にわたり民主主義から遠ざかる傾向にあったが、今や専制国家の様相を呈しつつある」と評している。

 民主主義指数の世界平均は5.29と、前年の5.28とほぼ変わらずだった。コロナ禍でのさまざまな禁止措置が解除されたが、他の世界的なマイナス要因に相殺される形となった。

 民主主義指数の首位はノルウェーで、以下ニュージーランド、アイスランドと続く。最下位3か国は北朝鮮、ミャンマー、アフガニスタン。(c)AFP