【2月5日 CGTN Japanese】歴代進士文化芸術共同展がこのほど、北京の故宮博物院で開幕しました。この共同展は故宮博物院、北京市文物交流センター、孔子廟(中国の春秋時代の思想家、儒教の創始者である孔子を祭っている霊廟)・国子監(元・明・清時代の最高学府)博物館が主催し、中国の伝統文化の継承と美徳の発揚を目的としています。唐代以降の進士(中国古代における官吏の登用試験である科挙の合格者)の重要な作品179点が選ばれ、歴代の傑出した人物が収めた成果や中華文明の繁栄と発展に払った努力を物語っています。

 中国の古代には科挙が盛んになり、進士は知識人の目標となりました。顔真卿、柳公権、范仲淹、朱熹、黄庭堅、王陽明など多くの歴史上の人物が進士です。彼らが哲学、経学、歴史学、文学、芸術などの分野に収めた成果は多く、中華文明の発展にも影響を与えています。

 展示ホールの真ん中に置かれた「杜牧行書張好好詩巻」は唐代の詩人・書道家の杜牧の残された唯一の作品で、清代には故宮の所蔵品でしたが、民間に流出し、収集家の張伯駒さんに収蔵されました。1956年に張さんが政府に寄贈した後、作品が再び故宮に戻りました。

 展示品には北宋時代の政治家・文人の范仲淹の晩年の作品「范仲淹楷書道服賛巻」もあり、迫力のある風格で注目を浴びています。

「明人考試図横軸」は貢院での科挙試験の場面を描いています。科挙の試験官3人が真ん中に座り、試験場には「天字号」「地字号」と書かれた横額が掲げられています。受験生は両側に並んだ個室「号舎」の中に座っています。この作品は明代の科挙試験の様子を生き生きと再現しています。

 同展は4月2日まで故宮博物院午門正殿、孔子廟・国子監博物館芸術ホールで同時開催されます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News