【2月1日 AFP】英国で1月31日、暴力的ポルノに子どもが接した場合の影響について調べた報告書が発表された。報告書は、子どもが暴力的ポルノを見ると、性行為には首を絞めるといった暴力が含まれると考えるようになる可能性があると警鐘を鳴らしている。

 調査は英政府が任命する子どもコミッショナーが昨年末、イングランドに住む16~21歳の1014人を対象に行った。

 これによると、9歳までにポルノを見たことがあるとの回答は10%、18歳までに「強制的、屈辱的、あるいは苦痛を与える性行為を描写した」暴力的ポルノを見たことがあるとの回答は79%に上った。

 また、性行為とは首を絞めたり平手打ちをしたりといった身体的攻撃が含まれるものだと少女側が思っているとの回答は47%、少女がそうした行為を楽しんでいるとの回答は42%に上った。回答者は、少年に比べて少女の方がそうした行為を楽しんでいると考える傾向があった。

 18歳以上では、47%が暴力的な性行為を経験したことがあると答えた。

 ある18歳の少女は「オンラインポルノの多くは現実離れしていて、中にはレイプの描写もあるのに、若者は問題を感じず、それが現実だと思うかもしれない」とコメントした。

 報告書は、今の子どもたちが見ることのできるコンテンツは、親の世代が雑誌でしか見ることのできなかったポルノとは比較にならないと強調するとともに、若者の間でポルノは女性に対する性的暴力を常態化させ、容認する上で重要な役割を果たしていると指摘した。

 イングランドの子どもコミッショナー、レイチェル・デソウザ(Rachel de Souza)氏はBBCに対し、「ソーシャルメディア上のこうした流れを親が止めることはできない。この問題に取り組む必要があるのは(SNSを運営する)IT企業だ」「オンライン安全法案が成立すれば問題に取り組まざるを得なくなるが、大企業であるこうした企業が自らの倫理基準に基づき、今すぐに実行すべきだ」と語った。

 報告書によると、子どもがポルノにアクセスするのは専用のアダルトサイトではなく、一般的なソーシャルメディアが最も多い。

 登録年齢が13歳からとなっているツイッター(Twitter)が最も多く、41%がツイッターでポルノを見たことがあると答えた。インスタグラム(Instagram)とスナップチャット(Snapchat)の名も挙がっている。

 保護者は暴力的、屈辱的なポルノコンテンツがインターネット上でこれほどすぐに簡単に見つかることを知らないことが多いという。

 少年の場合、11歳以下の幼い時期にポルノに接すると頻繁なユーザーに移行する可能性が高く、また後に「暴力的な性的コンテンツを見る可能性が著しく高まる」とも指摘している。(c)AFP