【2月1日 Xinhua News】中国広東省(Guangdong)の広州市(Guangzhou)文物考古研究院はこのほど、同市第一人民医院の拡張工事に伴い昨年6月から実施していた考古学調査で、漢代から明清時代の各種遺構184カ所を発掘したと発表した。前漢時代に中国からベトナム北部に存在した王国、南越国の遺構も含まれている。

 発掘面積は700平方メートルで、南越国期の排水溝と井戸、漢代から南朝時代の墓、唐代から五代十国時代の貝殻が堆積した灰溝、明清時代の城堀などの遺構が見つかった。出土遺物は陶水管、罐(かん)、器蓋(きがい)、執壺(しっこ)、碗、仏塔、瓦当(がとう)、筒瓦、平瓦、光緒11年募金碑刻など336点(組)に上る。

 南越国期の墓3基はいずれも長方形の竪穴土坑墓で、2基には人骨が残されていた。排水溝と井戸は、広州旧市街の西北郊外で初めて発見された南越国時代の建築・生活遺構になる。

 同研究院の関係部門責任者は今回発見した文化遺構について、時代幅が広く、連続性があり、内容も充実していると評価。南朝から唐、五代にかけての瓦などの建築部材が大量に出土したことについては、近くに大型の建築物があったことを示しているとし、加工の痕跡が残る大量の貝殻堆積の発見については、広州で初めてであり、建築物と関係する可能性を示唆した。明清時代の城堀の発見は、歴史文献の記載を裏付け、同時代の広州城の北西側境界をより一層明確にしたと述べた。発掘成果は広州の都市考古学の資料を一層充実させ、都市の発展と歴史的・地理的環境の変遷を研究する上で重要な意義を持つとも指摘した。(c)Xinhua News/AFPBB News