【2月1日 AFP】エジプトの起業家精神にあふれた若者たちが、ナイル川(Nile River)やごみ廃棄場にたどり着く運命のペットボトルなどのプラスチックごみの問題に立ち向かっている。

 首都カイロ郊外にある新興企業「タイルグリーン(TileGreen)」の工場では、機械が大きな音を出しながら、買い物袋などさまざまな色の大量のプラごみをのみ込み、裁断して液体に処理。その後、屋外の通路やガレージに使われるタイルとして成形される。

 同社の共同創設者ハレド・ラーファトさん(24)は、タイルの強度を示すために地面に打ち付け、「コンクリートよりも2倍の強さがある」と強調した。

 ビジネスパートナーであるアムル・シャランさん(26)は、タイル1枚当たり「環境の中から回収した125枚のプラスチック袋」が用いられていると説明した。

 ラーファトさんによると、プラスチックとアルミニウムが入り交じったもののように、通常は分離してリサイクルするのが困難な質の低いプラスチックも再利用に回しているという。

 米科学誌サイエンス(Science)が掲載した研究報告によると、アラブ世界で最大の人口を抱えるエジプトは、中東やアフリカの中でプラごみの最大の汚染源になっている。

 エジプトは年間300万トン以上のプラごみを出している。それらは、道路際に積み上がったり、違法なごみ処分場に運ばれたりするほか、ナイル川や地中海に流れ着く。

 そして、ナイル川や地中海のマイクロプラスチックは、魚類などの生物に蓄積し、それを消費する人々の健康を脅かす。