【2月4日 People’s Daily】無形文化遺産は中国の豊かな伝統文化の象徴であると同時に、地域経済の発展や貧困解消に重要な役割を担っている。中国文化観光省と関連部門は2021年から、無形文化遺産を通じた農村活性化の取り組みを支援。全国で2500か所を超える無形文化遺産の工房が設けられ、1700か所で無形文化遺産プロジェクトが行われている。このうち1400か所は貧困地域にあり、地元の人々の雇用と収入増につながっている。

 山東省(Shandong)棗庄市(Zaozhuang)の石泉村は省級無形文化遺産の春雨作りの工房を設置。2022年以降、約50人の村民が技能訓練に取り組んでいる。春雨作りを学んだ村民は自宅で子どもやお年寄りの世話をしながら作業し、収入を得られるようになった。村では材料の購入や注文を一括して行い、村内に散在する100以上の家庭工房に振り分けている。春雨づくりを指導している文化継承者の孫中坤(Sun Zhongkun)さんは「インターネットや店頭の販売を通じて、年間100万元(約1910万円)以上の利益を上げています」と説明する。

 河北省(Hebei)曲陽市(Quyang)では地元名産の磁器や石の彫刻などの工房が設立され、73の村で約8000人が就業。注文を割り振り、製図や原材料を各家庭に送り届けることで在宅勤務を実現している。文化観光省無形文化遺産局の担当者は「無形文化遺産の工房は農村の人材を活用し、雇用をもたらしている」と意義を語る。

 無形文化遺産工房で作られた特産品は、インターネットを通じて販路を広げている。文化観光省と関連部門は電子商取引(EC)プラットフォームで「無形文化遺産ショッピングフェスティバル」の開催を支援。2022年には150か所の自治体が参加し、売上高が20億元(約382億8000万円)を超えた。このうち、貧困解消を目指す334地域から1000か所以上の無形文化遺産工房が販売活動に参加している。

 無形文化遺産は観光振興にも貢献している。四川省(Sichuan)や貴州省(Guizhou)などでは、観光名所に無形文化遺産工房で制作した特産品を展示・販売するコーナーを設置。湖南省(Hunan)や青海省(Qinghai)では、少数民族の刺しゅう文化を生かした観光スタディーツアーを展開している。

 地方創生の鍵は「人」にあり、無形文化財は人によって引き継がれていく。無形文化遺産の継承者たちは清華大学(Tsinghua University)や四川大学(Sichuan University)、インターネット企業などに赴き、伝統技術を生かした新商品の開発や知的財産権の保護、観光振興策を学んでいる。文化観光省無形文化遺産局の担当者は「時代の変化と人々のニーズをつかむことで、無形文化遺産の創造的な変革が生まれ、伝統技術は活気に満ちたものになっていく」と話している。(c)People’s Daily/AFPBB News