【1月31日 AFP】ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は30日、ジンバブエを訪問した。同国のエマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領と31日に会談する予定。両国とも外交関係の「多角化」が狙いとみられる。

 ベラルーシとジンバブエは共に、人権問題を理由に欧米に制裁を科され、孤立化している。また、ルカシェンコ氏はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と近いことで知られる。

 ジンバブエ外務省は、政治、鉱業、農業などの分野で、すでに良好な状況にある両国の関係を強化するのが狙いだと説明した。ルカシェンコ氏がサハラ以南のアフリカ諸国を訪問するのは今回が初めてで、ジンバブエ訪問は歴史的な出来事だと語った。

 ムナンガグワ氏は2019年、ベラルーシの首都ミンスクを訪問している。その後、ベラルーシはジンバブエの首都ハラレに大使館を開設した。

 英ロンドンのシンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス、Chatham House)のアフリカ問題専門家、アレックス・バインズ(Alex Vines)氏は、「両国とも外交関係の多角化を模索している」と指摘。「ベラルーシは歴史的にみて、軍事技術や軍需品の輸出を目指している」と述べた。

 世界各地の調査報道機関が加わる「組織犯罪・汚職報道プロジェクト(OCCRP)」は2021年、ルカシェンコ氏の親族とジンバブエの金採掘ベンチャー企業とのつながりを指摘している。(c)AFP