【1月30日 AFP】豪資源大手リオ・ティント(Rio Tinto)は30日、高濃度の放射性物質セシウムが入った容器を国内西部ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州で紛失したとして謝罪した。1400キロの距離を移動していたトラックから落ちたとみられ、捜索が続けられている。

 所在が分からなくなっているのは、銀色の円筒形の容器。縦8ミリ、横6ミリと、人の爪よりも小さいが、中に入っているセシウム137からはX線照射を1時間に10回受けるのと同等の放射線量が放出されている。

 州の保健当局トップ、アンドリュー・ロバートソン(Andrew Robertson)氏は27日、「一定時間近くにいて被ばくすると、急性放射線障害を引き起こす可能性がある」と説明。当局は、容器から5メートル以上離れるよう警告している。

 リオ・ティント側の説明によれば、セシウム入りの容器は、鉄鉱石の密度を測定する機器に装着するもので、資格を持った委託業者が輸送した。

 機器を入れていた箱は今月12日にニューマン(Newman)近郊のグダイダリ(Gudai-Darri)鉄鉱山で積み込まれ、16日に1400キロ離れたパース(Perth)郊外のマラガ(Malaga)に届けられたが、25日に箱を開封してみると、中で計測機器が「ばらばらに壊れ」、セシウム入り容器がなくなっていたことが判明。同社は、同日中に州警察に通報したとしている。

 鉄鉱石部門の最高責任者サイモン・トロット(Simon Trott)氏はAFPに対し、「事の重大さを認識しており、州民に不安を与えているのを申し訳なく思っている」と述べた。(c)AFP