【1月28日 AFP】イスラム教徒が多数派を占めるパキスタン各地で27日の金曜礼拝後、イスラム教の聖典コーラン(Koran)がスウェーデンで焼却、オランダで破棄されたことに抗議するデモが行われ、大勢が参加した。

 今月21日、デンマーク、スウェーデン両国の国籍を持つ右派政治家ラスムス・パルダン(Rasmus Paludan)氏はスウェーデンの首都ストックホルムにあるトルコ大使館前でコーランに火を付けた。その数日後にはオランダ・ハーグ(The Hague)で行われた反イスラム教デモでコーランが破棄される事態が起きていた。

 パキスタンの第2の都市ラホール(Lahore)で宗教保守派「パキスタン・ラバイク運動(TLP)」が主催したデモには、5000人以上が参加。「コーランはわれわれの心の中に印刷されている」「私はコーランの守護者」などとシュプレヒコールを上げた。

 南部カラチ(Karachi)のデモには約1000人が参加した。両市のデモでスウェーデン国旗が焼かれた。

 隣国アフガニスタンでも複数の都市で小規模な抗議デモが行われた。同国のイスラム主義組織タリバン(Taliban)の旗を手にした人の姿も見られた。タリバン政権は、短時間ではあるが街頭デモを容認する異例の措置を取っている。

 東部ジャララバード(Jalalabad)でのデモには約1000人が参加。「異教徒に死を。スウェーデンに死を。米国に死を」とシュプレヒコールを上げた。

 デモはイラクでも行われた。インドネシアはスウェーデン大使を呼び出し、エジプトはスウェーデンとオランダの製品の不買運動を呼び掛けた。(c)AFP