【1月28日 AFP】動物愛護団体は今週、首都パリの利用客が多い駅で飼い猫が列車の下に入り込んでいたにもかかわらず、救出せずに列車を発車させ、猫をひき殺したとして、「動物を死に至らしめた重大な虐待および残虐行為」でフランス国鉄(SNCF)を告訴した。

 起訴され有罪になれば、責任者には7万5000ユーロ(約1000万円)以下の罰金刑と5年以下の禁錮刑が科される可能性がある。

 今月2日、モンパルナス(Montparnasse)駅で母娘がボルドー(Bordeaux)行きの列車を待っていたところ、「ネコ」という名前の雄猫が旅行かばんから逃げ出し、高速列車の下に入った。母娘は救出してほしいと駅員を20分間説得したが、SNCFは発車させ、ネコをひき殺したという。

 SNCFは後に、ボルドーまでの無料切符を母娘に提供したという。

 SNCFは「悲劇」で遺憾に思うとする一方、感電死の危険があるため線路に降りるのは厳しく禁じていると釈明した。

 ジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相は仏ニュース専門局BFMTVに対し、「特にショックを受けたのは、SNCFの対応のまずさだ」とし、「捜査によって、刑事責任を問われるべき人物が明らかになるだろう」と述べた。

 さらに、全国4000の警察署で、動物の不正取引や虐待に対応する訓練を実施する方針を明らかにした。(c)AFP