【1月30日 AFP】ロシア南西部ボルゴグラード(Volgograd)にある博物館で先週、8~18歳を対象にした愛国運動「青少年軍(Youth Army)」に加入した10代の子どもたちが祖国への忠誠を宣誓した。

 ベージュ色のズボンに赤いベレー帽姿の子どもたちは、ソ連の赤軍(Red Army)がナチス・ドイツ(Nazi)軍と激戦を繰り広げたスターリングラードの戦い(Battle of Stalingrad)をテーマにした博物館に集まり、白い大理石と勝利のシンボルで飾られたホールに並んだ。

 指導者が「祖国に永遠の忠誠を誓うか」と問うと、子どもたちは「誓います!」と声をそろえた。その様子を、当局関係者や退役軍人、地元の指導者らに交じって親たちも見守っていた。

 AFPの取材に応じた母親のダリアさんは、息子のスタニスラフさん(12)が「自発的な決断」で運動に加わったので「応援した」と語った。一家はロシアによるウクライナ侵攻とその後の展開を受けて、愛国心をより一層強めたという。

 ダリアさんは、ロシア政府がウクライナ侵攻を指す「特別軍事作戦」という用語を使い、息子は「特別軍事作戦について理解している」と話し、「ある意味、世界で起きていることがあの子の決断に影響した」と明かした。

 ダリアさんは、6歳の息子の加入も希望している。「男子にとって大事なことは、国を愛し祖国を守り、愛国者になることだと思う」と語った。

 ロシアでは以前から愛国教育が強化されていたが、昨年2月のウクライナ侵攻開始以降、さらに重視されている。青少年軍のウェブサイトによると、2016年の結成以来120万人以上が加入したという。(c)AFP/Ola CICHOWLAS