【1月27日 AFP】独外務省がツイッター(Twitter)に、同国製主力戦車「レオパルト(Leopard)2」と、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相のアフリカ訪問をかけた絵文字を使った投稿をしたことに対し、アフリカからは冷ややかな反応が出ている。レオパルトはドイツ語などでヒョウを意味する。

 ドイツがレオパルト戦車14両をウクライナに供与すると発表した25日、ラブロフ氏はロシアへの支持を集めるため、アフリカ南部を訪問していた。

 独外務省はこれを受け、「ラブロフはアフリカにいる。ヒョウを見るためではなく、ウクライナのパートナーらがロシアのすべてを破壊したがっていると率直に伝えるために」とツイートした。「ヒョウ」の部分は絵文字が使われていた。

 しかし、戦車と大型ネコ科動物をかけた表現に反発し、アフリカは狩猟旅行のための場所という固定観念にとらわれていると批判する声も上がった。

 アフリカ連合(AU)のエバ・コロンド(Ebba Kalondo)委員長報道官は、今月エチオピアのAU本部を訪問したドイツのアナレーナ・ベーアボック(Annalena Baerbock)外相も「動物を見るために」来たのかと詰問した。「アフリカ大陸とそこで暮らす人・野生動物は、あなた方にとってジョークの種にすぎないとでも?」

 カーネギー国際平和基金(Carnegie Endowment for International Peace)アフリカプログラムを率いるザイナブ・ウスマン(Zainab Usman)氏は、独外務省のツイートは「印象が良くない」と指摘。「ひどい固定観念を使って欧州の戦争で地政学的に優位に立とうとするようでは、アフリカの友人はできないだろう。無神経だ。もっとうまくやるべきだ!」とツイートした。

 独外務省はツイートについて謝罪した。絵文字はレオパルト戦車を指したものであり、気分を害するつもりはなく、「ロシアが侵略戦争の正当化に使っているうそ」を批判するためのものだったと釈明している。

 また、ウスマン氏の指摘については、「ご指摘の通りだ。ドイツのレオパルトは別の種であることを考えると、そのような意味合いを見落としていたかもしれない」と返信した。(c)AFP