【1月26日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2023)の会場で、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の父親がロシアを支持する旗を手にしたファンとポーズを取る姿が撮影され、ウクライナの大使が26日、「恥だ」と非難した。

 ジョコビッチは25日に行われた男子シングルス準々決勝でロシア出身のアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev)にストレートで快勝し、4強入りを果たした。

 その試合後、会場のスタジアムの外ではファンの集団がロシア国旗を掲げ、同国を支持するスローガンを歌う姿があった。オーストラリアテニス協会(Tennis Australia)は、4人が「不適切な旗とシンボルを見せ、セキュリティースタッフを脅した」と発表。警察が呼ばれ、問題の人物たちは会場から退去させられた。

 その後、親ロシア派オーストラリア人のユーチューブ(YouTube)チャンネルでは、ジョコビッチの父スルジャン(Srdjan Djokovic)さんが、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の顔写真が入った国旗を手にした男とポーズを取る動画が投稿された。

 セルビアのテニス記者は、動画に登場した人物がジョコビッチの父親であることを確認し、豪紙エイジ(Age)は、ジョコビッチの父が「ロシア万歳」とセルビア語で発言したと伝えた。問題の動画の中でも、「ノバク・ジョコビッチの父が大胆な政治的表明」というキャプションが入れられていた。

 全豪オープンでは前週、ロシアとベラルーシの国旗が客席で見られたことを受け、オーストラリアとニュージーランドのウクライナ大使を務めるワシル・ミロシュニチェンコ(Vasyl Myroshnychenko)氏が抗議。その後、会場でロシアとベラルーシの国旗を掲出することは禁止されている。

 今回の新たな出来事を受け、ミロシュニチェンコ氏はツイッター(Twitter)で問題の動画を引用ツイートし、オーストラリアテニス協会と全豪オープンのアカウント名を添え、「非常に恥ずべきことだ」と非難した。(c)AFP