【1月24日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は23日、スウェーデンの首都ストックホルムにあるトルコ大使館前で聖典コーラン(Koran)が燃やされた「事件」を受け、スウェーデンは北大西洋条約機構(NATO)への加盟でトルコの支持を「期待すべきではない」と警告した。

 今回のエルドアン氏の警告発言で、スウェーデン、フィンランド両国のNATO加盟実現への見通しは一段と不透明になった。

 事件は21日、反イスラムを掲げる政治家ラスムス・パルダン(Rasmus Paludan)氏によって起こされた。同日、トルコ大使館前ではデモが行われていた。トルコ側はデモに反対していたが、スウェーデンの警察当局が許可した経緯がある。

 パルダン氏の行動をめぐっては、スウェーデン国内でもこれまでたびたび非難されてきた。その一方で、政治指導者らは広範な表現の自由を擁護している。

 スウェーデン、フィンランド両国はロシアのウクライナ侵攻を受け、NATOへの加盟を申請。NATO加盟国ではトルコとハンガリーの承認がまだ得られていない。

 ハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相は先に、来月の議会で両国の加盟を批准する予定だと語っている。(c)AFP/Dmitry ZAKS