【1月24日 東方新報】中国・安徽省(Anhui)の黄山(Huangshan)は「五岳に登った後はもう他の山は見ない、黄山に登った後はもう五岳は見ない」とのことわざがあるほどの景勝地で、中国の十大名山の一つ、「天下第一の奇山」と称されている。「五つの絶景」や「三つの瀑布」が有名で、中でも「迎客松」は、地元の人たちのおもてなしと友好の象徴と言われ、東方の礼節文化を表すものとされている。

 安徽省には、中国伝統の物品、文献、歴史文化を包括し儒教、仏教、道教の三文化を凝集した「徽文化」があり、「炎黄文化」とも呼ばれている。黄山市は今後の観光業発展を見すえ、豊富な観光資源と交通の便を活かしさらなる発展を目指して、新たな政策部署を設置した。

「徽文化」の創造的な発展、「中国優秀文化伝承地区」の建設、黄山にまつわる故事を語り伝えることを目指している。優れた自然生態をもとにグリーン産業を発展させ全国一の清潔都市、美しい農村、最も美しい景観ラインを作り上げる。また、伝統文化と観光を融合させ、景観区観光を省全域に広げ、観光関連グッズを観光産業にまで発展させようとしている。

「心安らぐ地・黄山」を観光ブランド化するため、200万元(約3822万円)の市内黟県(Yixian)の民宿消費券、「徽州年越し」福袋、また全国初の「後払い旅行信用券」も提供する。統計によれば、2023年春節(旧正月、Lunar New Year)期の黄山観光客数は前年同期比60%の伸び、観光関連グッズ発注数も同じく45%の伸びと予想されている。

 また黄山市全市の国家5A級景観区の1月以来の入場者数は、昨年同期比741.03%の伸びで、19年同期比109.56%まで回復した。

 今年は改革開放45周年に当たり、観光業の高水準の回復と高品質発展のための重要な一年となる。コロナウイルス感染症対策の効果が現れるに伴い、全国の観光市場も徐々に盛り上がりを見せているが、黄山の観光市場でも魅力ある観光プラン、豊富な民衆文化、年越しの活動を通じて観光産業の発展を引き寄せようとしている。

「心安らぐ地・黄山」「徽州で年越し」、冬の日に黄山の雪を眺め、最も美しい「徽州」を楽しんでみてはいかがだろうか。(c)東方新報/AFPBB News