【1月21日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米政権の高官は20日、ウクライナは東部ドネツク(Donetsk)州の激戦地バフムート(Bakhmut)の防衛に固執せず、ロシアに対する大規模な反転攻勢に備えるべきだと主張した。

 バフムートでは、双方が兵力をすり減らしながら消耗戦を続けている。

 匿名を条件に取材に応じた米高官は、バフムート防衛に注力すれば、南部で春にもウクライナ軍が実施するとみられている大規模攻撃の計画に支障が出ると指摘。

 バフムートでは、長期戦になるほど兵力と兵器の数で上回るロシアが有利になるが、ロシア軍がバフムートで勝利したとしても、ウクライナ軍は要害に後退するだけで、大勢に影響はないとの見方を示した。

 米国はウクライナに対し、兵力を戦略的に重要ではない目標に割くのではなく、南部での反攻の際に高性能な兵器で重武装した部隊を組めるように、米主導の訓練プログラムに参加させるよう助言している。

 同高官は、反攻で使用される兵器はウクライナに続々到着しており、今週には装甲車数百台が届いたが、訓練には時間がかかるため、ウクライナはバフムートを捨てて、より戦略的な取り組みに備えるメリットを検討しなければならないと主張。ウクライナ軍には同時に実現する余力はないと思われると述べた。(c)AFP