【1月20日 AFP】ウクライナ侵攻後、ロシアから事業を撤退した西側諸国の企業数は全体の8.5%にとどまったとする調査結果が19日、公表された。

 調査は、スイスのザンクトガレン大学(University of St. Gallen)とローザンヌ(Lausanne)にあるビジネススクールIMDが行った。

 対象となったのは、欧州連合(EU)または主要7か国(G7)に本拠を置き、ロシアでも事業を展開する1404社。具体的には昨年2月以降にロシアから関連企業を引き揚げた企業の数を調べた。

 ウクライナ侵攻時、ロシア国内でこうした企業が展開していた関連会社は2405社で、うち昨年11月までに少なくとも1社を閉鎖した企業は120社と、全体の約8.5%だった。

 国別では撤退した企業の19.5%をドイツが、12.4%を米国が占めた。また、ロシアから撤退した関連会社の税引前利益は全体の6.5%だった。これら企業で働いていた従業員は全体の15.3%に上る。

 報告書は、ロシアから撤退した関連会社は、事業を存続している企業と比較して平均的に収益性が低く、従業員の多い企業だと指摘している。

 ザンクトガレン大学は今回の調査結果について、西側諸国は自国経済をロシア経済圏から切り離そうとしているが、その実効性に疑問を投げかけるものだとしている。

 調査は昨年12月、オンライン上の研究発表ネットワークSSRNSocial Science Research Network)に掲載された。SSRNでは、「プレプリント」と呼ばれる査読前の原稿が公開されている。(c)AFP