【1月20日 CNS】中国各地では元旦連休(12月31日~1月2日)に飲食店や観光地がにぎわい、消費が回復の兆しを見せている。

 新型コロナウイルスが何度も流行した四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の商業中心地・太古里街(Taikoo Li)は久しぶりに多くの人びとが集まり、2時間待ちの長蛇の列ができたレストランもあった。

 陝西省(Shaanxi)では元旦の連休中、省内536社のサンプル企業の売上高が前年比23.9%増の5億6800万元(約108億万円)に達した。

 しゃぶしゃぶチェーン大手の呷哺集団(Xiabu Xiabu)は、北京市、天津市(Tianjin)、河北省(Hebei)で収益と客数が過去最高を記録した。

 観光産業はより明確な回復の勢いを示している。文化観光部の試算によると、元旦連休中の国内旅行者数は前年比0.4%増の約5270万人で、国内旅行消費は4%増の265億元(約5058億円)になった。

 四川師範大学(Sichuan Normal University)歴史文化観光学院の陳乾康(Chen Qiankang)教授は、「コロナの広がりが思ったより速く、ほとんどの人がこの1か月間で感染しため、少なくとも半分の人は旅行に出かけることができる。春節(旧正月、Lunar New Year、2023年は1月22日)期間中の観光市場はより良くなる可能性がある」と予想する。

 中国旅行大手「同程旅行(LY.COM)」によると、元旦連休中、ホテルの稼働率はコロナ禍前の2020年の同時期と比較して32%増加し、ホテルの平均価格も229元(約4370円)から244元(約4656円)に上昇した。

 民泊プラットフォーム「途家(Tujia)」によると、一部の人気都市では1月の予約が増加し、ビーチリゾートである海南省(Hainan)三亜市(Sanya)の民宿予約数は前月の3倍になった。

 2022年に一度底を打った国内航空市場については、各省間の旅客の増加に伴って、急速に回復し、コロナ前のレベルに近づいている。

 旅行プラットフォーム「携程(シートリップ、Ctrip)」によると、元旦の国際線航空券の予約数は前年比145%増加し、春節の旅行シーズンの国際線の予約も前年比260%以上増加した。

 元日連休中の消費の回復は、年間を通しての消費の回復の良いスタートとなった。しかし、この勢いを継続するには多くのサポートが必要だ。

 陳教授は、「元旦の観光市場の回復は予想を上回ったが、まだ完全には回復していない。今年は市場全体が良くなり、海外旅行の開放により、観光市場はさらに大きくなるだろう」と話す。(c)CNS/JCM/AFPBB News