【1月21日 AFP】ベトナム・ハノイ近郊の養鶏場で、旧正月「テト(Tet)」が近づく中、レ・バン・ヒエンさんは群れから1羽を選び出した。レンガのような極太の脚が特徴のドンタオ(Dong Tao)鶏は、1羽当たり2000ドル(約26万円)の値が付くこともある。

 別名「ドラゴンチキン」とも呼ばれるドンタオ鶏の名は、北部の産地ドンタオにちなんでいる。極太の脚がごちそうとされ、特にテト期間中に富裕層に好まれている。

 ヒエンさん自慢のドンタオ鶏は、脚の重さだけで体重4キロの2割ほどを占めている。この鶏には約150ドル(約1万9000円)の値が付いたが、特に大きくて血統書付きのものは10倍以上の価格で取引されている。

 15年以上養鶏に携わるヒエンさんは、おいしさのカギは「トウモロコシとコメを使った飼料と放し飼い」にあるとし、「歩けば歩くほど、筋肉が付き大きくなる」と言う。

 ドンタオの肉の部分は最大10キロにもなる。硬くて歯ごたえがあり、低脂肪なことが特徴だ。ゆでたり、炒めたり、煮込んだりと調理法はさまざま。レモングラスと一緒に提供されることもある。

 ドンタオ鶏をよく購入するというレ・バン・ルアンさんは、ヒエンさんのドンタオ鶏を取引先や親戚への贈り物に選んだ。「脚の皮の部分が一番おいしい。脚は太ければ太いほどいい」と語った。(c)AFP