【1月17日 Xinhua News】1950年代に約3万年前の後期旧石器時代の人類化石「資陽人」が見つかったことで知られる中国四川省(Sichuan)資陽市(Ziyang)で、再び旧石器時代の遺跡が見つかった。四川省文物考古研究院は14日、濛渓河遺跡で実施した発掘調査で4万年以上前の人類の活動痕跡を発見したと発表した。

 同研究院旧石器研究所の鄭喆軒(Zheng Zhexuan)所長によると、遺跡は2021年9月に洪水で崩れた河岸から動物化石の一部や石器などが流出したことで見つかり、現地調査で保存状態の良い地層が発見された。同研究院が資陽市や県の文物部門と2022年1月に共同で緊急発掘調査を実施し、これまでに段階的な成果を上げた。

 遺跡からはこれまでに各種石器や動物化石は千点余りが出土。石器は石核、石片、刮削器(かっさくき)、尖状器など、化石はウシ、サイ、ゾウ、シカなどだった。骨器、木器に似た遺物、大量の植物遺物など、旧石器時代遺跡では非常に珍しい遺物も確認された。

 放射性炭素年代測定による遺跡の年代値は4万3千年以上前となった。北京大学考古文博学院の王幼平(Wang Youping)教授は同遺跡について、国内の旧石器時代遺跡の中でも人間と環境との関係を最も明確かつ体系的、包括的に示すものの一つだと指摘。後期更新世の人類生活を復元する上での生き生きとした場面を提供したと述べた。

 中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の高星(Gao Xing)研究員は「濛渓河遺跡はこのエリアとこの時代の空白を埋めた。『資陽人』の過去とその後を解明する上で、濛渓河遺跡の発掘と研究は一つの始まり、重要な突破点になる」との見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News