【1月15日 AFP】11日にフランスサッカー連盟(FFF)の会長を退任したノエル・ル・グラエ(Noel Le Graet)氏(81)に対して、「性差別的な不適切行為」による刑事訴訟手続きが取られる可能性が浮上している。仏紙ルモンド(Le Monde)が14日に報じた。

 この件をめぐっては、フランス代表選手の顧客も持つサッカー代理人のソニア・スイ(Sonia Souid)氏が、スポーツ日刊紙レキップ(L'Equipe)と国内ラジオ局RMCに対し、ル・グラエ前会長から望まない性的な誘いを受けたと告発し、「下品な言葉を使って申し訳ないが、私の胸と尻にしか興味がない」ように感じたと主張していた。

 これを受けて、仏スポーツ省は連盟に対する監査を行い、スイ氏から証言を取った後、報告書をパリの検察当局に提出した。スポーツ相を務めるアメリー・ウデア・カステラ(Amelie Oudea-Castera)氏も、監査のトップから、刑法に従って報告書を作成したことを知らされていると明かしていた。

 フランスの法律では、「性差別的な不適切行為」は性的、性差別的な含みを持ち、相手の尊厳を損ねたり、苦しめたりする発言や振る舞いを指し、最大で750ユーロ(約10万円)の罰金を科される可能性がある。

 監査が終わるまでの間、会長職を離れることを強いられたル・グラエ氏は、14日にAFPに宛てた発表文で、報告書がメディアにリークされたことへの驚きを示した。

「作成中の暫定的な監査報告書がリークされたというル・モンドの記事を、驚きとともに目にしたところだ」とした同氏は、「現時点で、私が告発されているという事実も、誰による告発かも把握していない」と述べ、「もっと全般的な部分では、暫定の報告書がまだ私のもとへ届いておらず、こちらの見解を示せていないにもかかわらず、情報が明かされたことに驚いている」と話している。(c)AFP