【1月15日 AFP】英国のリシ・スナク(Rishi Sunak)首相は14日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と電話で会談し、英陸軍の主力戦車「チャレンジャー2(Challenger 2)」を14台供与すると表明した。実現すれば、ウクライナ側が求めていた西側諸国の戦車が初めて提供されることになる。

 在英ロシア大使館はこれに対し、「紛争地域に戦車を供給すれば対立を終わらせるどころか戦闘を激化させ、民間人を含む犠牲を増やすだけだ」と反発した。

 英国はまた、陸軍の155ミリ自走りゅう弾砲「AS-90」を約30門供与する方針。戦車は数週間後にウクライナに到着予定。また、ウクライナ軍に戦車などの使い方の訓練を行うという。

 スナク首相は声明で、戦車の供与は「ウクライナ支援を強化したい」との英国の熱意の表れだと説明した。

 ゼレンスキー大統領はツイッター(Twitter)に「戦場での能力が強化されるだけではなく、他のパートナー国に対する正しいメッセージとなる」と投稿し、謝意を示した。

 欧州各国は昨年2月以来、ウクライナに改良型の旧ソ連製戦車300台以上を供与したが、ウクライナが繰り返し求めてきた西側製の重戦車は提供していない。

 専門家は、ウクライナがロシアに勝利するためには西側の主力戦車の供与が必要不可欠とみている。ただ、特にドイツは、重戦車の提供に慎重になっている。(c)AFP