【1月16日 Xinhua News】中国の陝西省文物局が12日に発表した「2022年度陝西重要考古発見」に、秦始皇帝陵園外城の大型副葬坑「1号坑」で10年余りをかけて行われた第3次発掘調査の成果が選出された。第3次調査では220体余りの陶俑が出土し、軍陣の配列がおおむね解明されたほか、陶俑の制作工程も明らかになっている。

 1号坑の第3次発掘調査は2009年に始まり、これまでの発掘面積は約430平方メートル。陶俑220体余りのほか、陶馬16体、戦車4両、車馬器、武器、農具などが出土している。

 秦始皇帝陵博物院の申茂盛(Shen Maosheng)研究員によると、1号坑の建築構造は地栿や立柱、桁で支える「框架式」となっており、枕木や地板、立柱、板製の廂、棚板で構成される「廂椁式」の副葬坑に比べ原始的であることから陵園の中で比較的早期に建てられたと推測できる。

 調査では武器の種類や配属、最初に出土した盾、特殊な俑の職務などの解明も進んだ。陶俑の制作工程は、まず大きく成形してから細かい彫刻を施し、その後に両腕を接着していたことも分かった。

 秦始皇帝陵の大型副葬坑は陵園外城にあり、うち1号坑は長方形で総面積が1万4260平方メートルと最も大きい。配置密度から計算すると、全ての発掘が終わるまでに陶俑と陶馬約6千点が出土するとみられている。(c)Xinhua News/AFPBB News