サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長が2022年12月22日、ベトナム・ハノイ近くのサムスンディスプレイ法人(SDV)を訪れ、ディスプレイー生産工場を点検している(サムスン電子提供)(c)news1
サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長が2022年12月22日、ベトナム・ハノイ近くのサムスンディスプレイ法人(SDV)を訪れ、ディスプレイー生産工場を点検している(サムスン電子提供)(c)news1

【01月14日 KOREA WAVE】2023年には韓国ディスプレイ企業の輸出において、OLEDが占める割合は急速に高くなる見通しだ。サムスンディスプレイは昨年6月からLCD事業から全面撤退し、LGディスプレイも昨年末、韓国でLCDテレビパネルの生産を中断し、LCD時代が完全に終わったと言える。

◇価格・技術の超格差拡大、「パイ」拡大

ただ油断はできない。中国はLCDでの成功に続き、OLED市場でも生産拡大に加え、質的な向上も図る「良質転換」を掲げ、攻略に力を入れている。

2016年に中小型OLED市場に進出した中国は、3年ぶりに占有率10%を突破し、一昨年は16%を超えた。特に、中国のディスプレーパネル最大手「京東方科技集団(BOE)」やテレビ大手TCL傘下の液晶パネルメーカー「華星光電(CSOT)」などは、中低価格型スマートフォンに入るリジッドOLEDパネル事業で価格競争に力を入れている。

このような状況で、韓国企業が選んだのは「ツートラック」戦略だ。主力事業であるスマートフォン、テレビパネル事業では、価格競争力と技術力を同時に備える次世代技術を開発する。それと同時に、モビリティ・ウェアラブル・スマート機器や仮想現実など、新たな需要先を発掘し、市場自体の「パイ」を育てるという戦略だ。

LGディスプレーが公開した延伸率20%の高解像度12インチフルカラーストレッチャーブルディスプレイの姿。伸ばす、折る、ひねりなどどんな形でも自由に変形できる(LGディスプレイ提供)(c)news1
LGディスプレーが公開した延伸率20%の高解像度12インチフルカラーストレッチャーブルディスプレイの姿。伸ばす、折る、ひねりなどどんな形でも自由に変形できる(LGディスプレイ提供)(c)news1

◇「国家戦略技術」にディスプレイを追加…OLED切替弾力

最近、ディスプレイ産業が国家戦略技術に挙げられたことも大きい。ディスプレイは、租税特例制限法の新成長・源泉技術に分類され、この間、投資金額の最高3%を税額控除され、国家戦略技術に含まれ控除率が6%に拡大した。

韓国ディスプレイ産業協会によると、ディスプレイ業界が今後5年間で計画している投資額(50兆ウォン)を基準にすれば、年間約1000億~1500億ウォンの追加税額控除が予想される。

産業研究院のナム・サンウク副研究委員は「ディスプレイ業界の競争はLCDからOLEDなど次世代分野に移りつつある。単純な技術競争から抜け出し、産業生態系の変化をふまえた複合的な戦略が必要になる」と話した。

(つづく)

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News