【1月15日 People’s Daily】中国南東部、江西省(Jiangxi)崇義県(Chongyi)上堡郷(Shangbao)にある上堡棚田は春秋戦国時代にさかのぼり、2200年以上の歴史を誇る。2022年には第9回世界かんがい施設遺産リストに登録された。

 棚田は自然の理念をそのまま体現している。山は森を育み、森は水を蓄え、水は棚田を潤わせ、棚田は土を保全するという好循環を生んでいる。

 上堡郷副郷長の朱運金(Zhu Yunjin)氏は「棚田のある山は花こう岩でできており、水を吸収して蓄える機能があると言います。山腹からしみ出る水は棚田を潤わせています」と説明。崇義県水利局の盧鑫平(Lu Xinping)局長は「祖先たちは自然の法則に基づいて山の斜面に排水システムを構築した。干ばつが長く続いても、棚田の水路はほとんど途切れません」と語る。竹や木、石など自然の材料で作られた棚田は拡張と修復が繰り返され、棚田の面積は約5万ムー(約33平方キロメートル)に達している。

 伝統的な農法により土壌の豊かさは保たれ、干ばつや洪水の際も収穫は安定している。生物工学を学び現在は農業会社の社長を務める陳兪亦(Chen Yuyi)さんは「標高500~1000 メートルに位置するこの棚田で栽培された米は味が良く、栄養価が高い。棚田の周辺には山林があってマイナスイオンに満ちており、稲の病気や害虫を防ぐ効果がある」と解説する。

 陳さんが契約した棚田では、伝統的な有機農法が取り入れられている。除草作業でも意図的に一部の雑草を残し、稲の「生存競争」の力を高めさせている。「先人の知恵にのっとり、米の生命力や耐病性を高めています」

 陳さんは人の高さ近くにまで伸びた稲穂を見つめる。「これは私たちが国立遺伝子バンクから種を取り入れて育てた特別な品種です。1本の稲穂に180粒のモミが実ります。将来的には最高の製品になるでしょう」

 棚田を見下ろす山頂の展望台に登ると、稲穂が波のようにそよめき、観光客があちこちで写真を撮っている光景が見える。棚田を中心としたエコツーリズムも活発になり、伝統の棚田は常に新しい装いを見せている。(c)People’s Daily/AFPBB News