【1月13日 Xinhua News】米ラスベガスで5~8日に開かれた世界最大級の家電・電子機器見本市CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2023で、独自動車大手BMWグループのオリバー・ツィプセ取締役会会長が取材に応じ、同社にとって中国の市場とイノベーション能力は必要不可欠だと述べ、中国との協力を引き続き深める考えを示した。

 ツィプセ氏は「中国はBMWの第二のホームだ。グローバル化を支持し、経済の『デカップリング』は認めない」と指摘。互いに非難するより交流することを重視しており、中国との協力が重要だと考えていると述べた。

 ドイツと中国の長期にわたる関係は、BMWと中国のパートナーがチャンスをつかみ協力を深める堅固な基盤となっている。ツィプセ氏は、こうした協力には二つの原動力があると指摘。一つは中国がBMWにとって最も戦略的意義のある市場の一つであり、中国での中長期的な発展に確信を持っていること、もう一つはイノベーションで、BMWの成長戦略は中国がなければ実現できなかったと振り返った。

 ツィプセ氏はまた、世界的な変化に真剣かつ効果的に対処するには、協力の増進が必要だと強調。BMWが引き続きドイツの自動車業界と中国のパートナーとの共創・ウィンウィンを促していくと明らかにした。

 2022年の中国での発展については、BMWが「次世代」へ重要な一歩を踏み出したと説明。中国からインスピレーションを得た新車種の発表や、遼寧省瀋陽市の生産拠点重点拡張プロジェクト2件の完成、産業チェーンを構成する中国のパートナーとの協力強化などの事例を挙げた。

 今後、中国でデジタル化と電動化を推進するための研究開発と生産配置については、瀋陽の生産拠点に100億元(1元=約19円)を投じ、車載バッテリーの生産能力を拡張すると紹介。BMWグループが掲げるデジタル、電動、サーキュラーエコノミー(循環型経済)戦略は中国の発展の方向性と一致しており、中国はこの3分野で先頭を走っているとの見方を示した。

 BMWは中国で北京、上海、瀋陽、南京の4都市を拠点に、ドイツ以外で最大の研究開発・イノベーションシステムを構築している。中国では約3200人がイノベーション関連業務に取り組んでおり、研究開発やデジタル化、電動化を進めている。ツィプセ氏は「科学技術分野では多くのイノベーションが中国から全世界に広がっている。中国では新興技術が盛んに超大規模で応用されている」とし、「中国で大規模な応用を実現した技術は、世界でも大規模で利用できる」と訴えた。

 ツィプセ氏はさらに「中国のパートナーと緊密に協力し、中国の経済・社会とともに進み、共同で発展し、共創・ウィンウィンを実現していきたい」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News