【1月22日 AFP】南米ウルグアイの首都モンテビデオ郊外の農場で、食用に処理されるのを免れた4頭の馬が、のんびりと草を食べている。

 ウルグアイでは馬を食べる習慣はないが、馬肉の輸出が急増していることを受け、馬を救出する取り組みが進められている。

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)系のサイト「経済複雑性観測所(OEC)」のデータによると、ウルグアイは2020年、世界の馬肉輸出トップ10に入っており、主な輸出先はベルギーやロシア、フランスとなっている。アジアでは日本にも輸出している。

 ウルグアイには競走馬や馬術用の馬、農場での労働に従事する馬が数万頭いる。その大半は、けがや老齢の他、所有者が世話をしきれずに手放され、食用処理される。世界のどこかで食卓に上るのだ。

 モンテビデオの東方約115キロのパンデアスーカル(Pan de Azucar)では、食肉処理される予定だった馬が、フアン・パブロ・ピオさんの農場で暮らしている。

 モンテビデオの東方約115キロのパンデアスーカル(Pan de Azucar)にある農場では、食肉処理される予定だった馬が4頭飼育されている。

 農場主のフアン・パブロ・ピオさんの農場で暮らすのは、NGO「サンツアリオス・プリミティーボ(Santuarios Primitivo)」が購入した4頭で、国内に3か所ある馬肉処理場の一つに向かっていたトラックから救出されてこの農場にやってきた。

「この4頭の使命は生きること、ただそれだけだ」とピオさんは話す。ピオさんは馬のほか、鶏とロバ、豚、牛を1頭ずつ保護している。