【1月11日 CGTN Japanese】中国海南省(Hainan)にある海口(Haikou)畓榃(Duotan)湿地研究所は10日、海南省では現在までに、中国で最も重要な保護対象とされる国家一級重点保護野生動物のクロツラヘラサギの越冬数が初めて201羽に達したことを明らかにしました。海南省が2003年に「クロツラヘラサギ世界同時調査」プロジェクトに参加して以来の20年間で、最多の記録とのことです。

 クロツラヘラサギは、スプーンのように平たい長いくちばしが、中国楽器の「琵琶」のように見えます。全長約74センチで、全身の羽はほぼ白色ですが、くちばしと脚部、前頭部、アイライン、目の周囲からくちばしの付け根までの裸皮が黒いことが特徴です。この鳥は世界的な絶滅危惧種とされており、東アジア地域の水鳥保護の象徴種ともされています。クロツラヘラサギは1930年代には、中国南部の沿海地区でよく見られましたが、80年代には全世界で300羽未満にまで減少しました。近年の世界同時調査によれば、クロツラヘラサギの数は1997年から2022年にかけて明らかに増加し、2022年には6162羽に達したことがわかりました。

 海口畓榃湿地研究所の盧剛(Lu Gang)所長によれば、「クロツラヘラサギ世界同時調査」プロジェクトの海南省部分に参加したのは、鳥類研究者と鳥観察愛好家30人余りで構成された調査隊で、14の調査小チームに分かれて海南島全島沿海の76の主要な水鳥生息地を対象に同時調査を実施したとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News