【1月12日 Xinhua News】中国電子商取引(EC)大手のアリババグループ(Alibaba Group)が運営する企業間越境ECサイト「アリババドットコム」はこのほど、2023年1月の越境EC指数を発表した。これによると、米国を大吹雪が襲ったことで、中国のアパレル輸出はチャンスを迎え、特に防寒着の輸出は前年同期比29%増えた。

 米国立気象局によると、米国の多くの地域は年初から、冬の嵐や豪雪、みぞれ、竜巻などの悪天候に見舞われた。中国からの通勤服や防寒着の輸出はこれを受けて増大している。海外注文の伸び率上位10品目のうち、アパレル関連は8品目を占め、1位はメンズの長袖インナーシャツ、2位はメンズのズボン下だった。

 米国での突然の寒波襲来は、需要への柔軟な対応が可能な中国のアパレルの需要を押し上げ、「スピード」が今回のビジネスチャンスのキーワードになっている。

 アリババドットコムに出店する山東省(Shandong)濰坊市(Weifang)の賽爾服飾科技は、アパレルの新商品を週に1千種近く開発する能力を持つ。米国から受注した商品も、柔軟なサプライチェーンを頼りに3週間で届けることができるという。同社の貿易担当ディレクターを務める孫洪祥(Sun Hongxiang)氏は「昨年10月から米国からのセーターや綿入りコートの受注が殺到している」と説明。「ここ2年の繊維製品の輸出は伸び悩んだが、小口で受注しスピーディーに納品する当社のカスタムアパレル輸出は毎年100%の伸び率を続けている」と述べた。

 アリババドットコムの秦奮(Qin Fen)業界責任者は、活発なアパレル貿易は、短期的で突発的な偶然の要因の影響も排除できないが、長期的にも必然性を伴ったものと指摘。国内企業は越境ECプラットフォームをより重視し、運営能力を増強しており、海外市場の突発的な需要を素早く捉える能力も大きく高まり、他国のライバルよりも素早く市場を勝ち取ることが可能になっているとの見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News