【1月11日 AFP】ロシアのアントン・シルアノフ(Anton Siluanov)財務相は10日、昨年の財政赤字が3兆3000億ルーブル(約6兆2000億円)に達したと明らかにした。対国内総生産(GDP)比2.3%に相当する。ウクライナ侵攻に伴い防衛費が増大した。

 2021年は黒字だった。シルアノフ氏は政府の会合で、財政赤字となったのは「主に国民の支援を目的とした」歳出が6兆ルーブル(約11兆円)以上増えたためだと説明した。

 政府は、ウクライナ侵攻に参加する兵士の家族や、昨年9月に発動された予備役の部分的動員令の影響を受けた企業に支援金を拠出している。

 一方、ウクライナ侵攻後のエネルギー価格の上昇により石油や天然ガスの輸出額が増えたため、昨年の歳入は政府の推計を2兆8000億ルーブル(約5兆3000億円)上回ったという。

 ロシアの今年の財政赤字は対GDP比2%と予測されている。専門家は、今年度予算の約3分の1が防衛および安全保障に充てられるとの見方を示している。(c)AFP