【1月11日 CNS】「イブプロフェン4錠と抗原検査キット2本が欲しい」 「アセトアミノフェンが欲しい」 。騰訊(テンセント、Tencent)の「新型コロナ対策医薬品公益互助」プラットフォームでは、ユーザーは微信(ウィーチャット、WeChat)アプレットを通じ、「医薬品を必要とする人」と「医薬品を多めに持っている人」を結びつけ、「医薬品を分け合う」ことができる。数百万人を巻き込んだ心温まる「助け合いのリレー」が進行中だ。

 2022年12月21日午前3時、深セン(Shenzhen)市民の劉(Liu)さんは、夜勤明けで帰宅してから寒気を感じたが、自宅には抗原検査キットがなかった。「風邪であれば、翌日から出社できるが、そうでなければ、同僚に責任を持たなければならない」。翌朝7時過ぎ、彼女はモーメンツで、「新型コロナ対策医薬品公益互助」プラットフォームを見つけ、そこで「必要な人に余った抗原検査キットを提供できる」という投稿を見た。

「相手がプラットフォームに登録した電話番号にかけ、1時間ほどで、直送便で届いた」。抗原検査キットを手にした劉さんは、この心温まる輪を広げたいと思い、解熱剤のイブプロフェン1箱から4錠を分けることができると、プラットフォームに投稿した。その直後、「熱のある家族がいる」と連絡があった。相手の家族3人がこの薬を必要だということを知り、イブプロフェン8錠をあげた。意外にも相手が薬を取りに来た時に、抗原検査キット4本とN95マスク4枚を渡してきた。「見知らぬ人同士の助け合いだったけど、とてもスムーズで、皆さんとても誠実だった」と、劉さんは語った。

 深セン市民の女性の鄒(Zou)さんも、「新型コロナ対策医薬品公益互助」を通じ、遠くの故郷の湖南省(Hunan)の両親のために薬を手に入れた。投稿からわずか3時間あまりで連絡があり、イブプロフェン6錠を提供され、直送便で実家に届けることができた。

 市民の医療や医薬品の需要が増え続ける中、各地で「隣近所の助け合い 医薬品の分かち合い」が進んでいる。日常的に必要な薬は合理的かつ適量、需要に応じて購入し、余った風邪薬や解熱剤などを、本当に必要な人に分け与えることを提唱している。

 12月24日未明までに、数百万人がこのミニプログラムにアクセスし、ユーザーからは合計100万件を超える助けを求める声と助けになれるというメッセージが投稿された。同時期に、医薬品必要な「トップ5都市」は、深セン市、杭州市(Hangzhou)、上海市、広州市(Guangzhou)、東莞市(Dongguan)となり、医薬品を提供できる「トップ5都市」は、深セン、北京、上海、杭州、広州となった。リクエストの多い物資は、抗原検査キット、イブプロフェン、アセトアミノフェンの三つだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News